ラノベ寄稿

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【感想】ゲーマーズ! 7

ゲーマーズ!7 ゲーマーズと口づけデッドエンド (ファンタジア文庫)

 

ラノベ貴公ゲーマーズ(ゲームをするとは言ってない)

 

星ノ守の衝撃の告白によって、またもやめんどくさい勘違い案件が勃発! と思いきや、自称「察しの良さ」に定評のある天道には今回、解決の秘策があるらしく!? 一方、雨野は修学旅行に向け……バイトを始めた。

 

ラノベ貴公こいつ等一周回ってメンドくさ過ぎんだろ……(褒め言葉)」 

 

こじらせ過ぎて一周どころか二、三周してるんじゃないでしょうか……。からまわり群像劇と書いてラブコメと読む、ゲーマーズの七巻です。

 

前回では千秋さんがとうとうようやくやっといよいよ「え、マジ……?」で告白したところ。告白なんてイベントをされて人間関係が変わらないはずもなく。誰が誰を思い、真摯になるがゆえに拗れ捻くれ曲解され誤解され、各々が出した答えを抱いて舞台は修学旅行へ。そこでまたしても騒動が繰り広げられ……といったお話。

 

今回は順当に千秋との関係、ゲーム同好会の繋がりをどうするかみたいな話になるんじゃないでしょうかと予想していたのですが……

 

一章で裏切ってくるかぁーっ

 

そこで順当にいかないのが「ゲーマーズ」。いや分かってましたよ。分かっていたけど、こいつ等とことん捻くれてるなァ!

 

相変わらずの茶番劇ですが、ただ「すれ違い」にしてもラブコメ特有の鈍感系やら難聴系ではなくて一々曲解に説得力があるから憎たらしい! 面白い!

むしろゲーマーズはそういったアンラッキーから遠い、ともすれば排除してる節すらありますからねぇ。(なんでこいつ等普通に恋愛できないんだ……?)

 

一人称で見ればシンプルな話が他人の視点から見るところりと違った風に見えてくる。重ねて言いますが、説得力がありますよね。そこが面白いというか、なんという喜劇っ……!

 

今回は「千秋の告白」という主軸から勘違いが広がっていくだけに、話の進みや会話のテンポもよくサックリ読めてしまいました。続きを気にさせる書き方も巧い。さす葵きせな先生。

 

主人公も主人公しながらちゃんとボッチもしてた

 

今時の「やーボッチつらいわー()」系なろうラノベ主人公と違って好感が持てる。(というか久しぶりに主人公に対して厳しすぎませんかねこの作品……)

 

 

 

次の段階へ。その思いだけは同じで、分かりあっていて、真摯なはずなのに。考えるほどこじれていく関係と思い。そして迎えるのは、

 

ゲーマーズと口づけデッドエンド。

 

次巻メッチャ楽しみです!