ラノベ寄稿

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【感想】ノーブルウィッチーズ 第506 統合戦闘航空団 飛翔! 「SWのスピンオフ! 舞台はガリア」

ノーブルウィッチーズ 第506 統合戦闘航空団 飛翔! (角川スニーカー文庫)

 

 

ラノベ貴公「シリーズ初見さんお断りの世界

 

業が……深いのです……。

 

「侯爵家なんて言っても分家だし、たいしたことないんだよね」肩を竦めるのは黒田邦佳。
「その血にふさわしい振る舞いができぬのなら、貴族を名乗る資格はない! 」豪語するのはハインリーケ。全く異なる二人のウィッチが、第506統合戦闘航空団に配属されて……!?
ノブレス・オブリッジを貫くべく、二機の乙女が蒼天を翔け巡る!

島田フミカネ氏完全監修! ! 大人気アニメ『ストライクウィッチーズ』待望の新シリーズが始動!

 

ラノベ貴公ぶっちゃけ某型月作品レベルで設定細かいからレビューとか恐れ多い

理性「FGOで弾けた感はある」

 

ストライクウィッチーズ(SW)シリーズは第二次世界大戦の敵がネウロイだったら、というパラレルな世界線ですので第一級ファン層となるとそれなりにリアル知識が必要となってきます。某作品とではファンが歴オタというよりはミリオタという違いはありますが。

 

ラノベ貴公「まあ私はミリオタでも歴オタでもないんですけどねー」

 

圧倒的、小市民っ……! 

 

さて感想です。

 

時間軸はちょうどアニメSWの一期終了後、501JFWの活躍でガリアが解放された後の話で、まだまだ落ち着かないガリアの内情の元に「貴族のみで506部隊を結成する」といった指示から始まります。

 

この意味分からん指令(国の防衛の構成員に貴族もなにもあったもんじゃねえだろ……)というのも政府の混乱具合を裏付けてますね。まあ、ウィッチが英雄視されるというのはこの世界だと誇示でもないので、「貴族が国を守ることで貴族の地位を復興する」といった狙いがあったんでしょう。

 

こうして各国から貴族のウィッチを募り結成されたのが第506JFWことノーブルウィッチーズ。ここにお呼ばれすることになったのが扶桑のウィッチにして華族・黒田邦佳。邦佳が向かった先ではなぜか506部隊が二つに分かれており、しかも部隊の仲はさいあくで……? といったストーリー。

 

物語に派手な展開はないのですが、そういうところも含めてウィッチたちの日常を楽しめる。ハインリーケの滲み出るポンコツ臭や邦佳のすっごいウザいんだけど憎めない感じが読んでて気持ちいいですね。ライトノベルなんだけど、変にキャラの濃すぎない、でも個性的。このなんとも言えぬ程よい感がストライクウィッチーズなんだよ……やっぱストパンは最高だぜ!

 

そういう日常描写や、普通の少女を知っているからこそ、戦場に立つ重さに思わず手が力む。506JFWはよくピンチに瀕しますからね()。まあガリアが慌ただしいというのもありますし、何より501は化け物が揃ってたので(苦笑)。

 

普通にウィッチの日常を楽しむのもいいのですが、本作も色濃くSWシリーズを受け継いでると言いますか、裏設定が結構面白いんですよね。

506結成にしても「ガリアの貴族」といえばペリーヌを想像しますが、実は501時代の活躍もあって隊長にという話があったんですよね。結果はアニメ二期の通りというか、まあ断ってます。OVA(Operation Victory Arrow)のアルンヘムの橋やアニメ本編を見ればペリーヌがガリア復興に尽力したいっていうのは頷けますね。(もっさんのいない部隊に価値なしとかではなく)

 

いろんなウィッチの繋がりやキャラが物語の背景に潜んでいるというのは考えるとゾクゾクする。「ノーブルはこういう作品だよー」っと紹介枠的な感想でした。

 

SW好きな人なら必読です!