ラノベ寄稿

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【感想】弱キャラ友崎くん Lv.2「美少女が鬱で俺の寿命がストレスでマッハなんだが……」

弱キャラ友崎くん Lv.2 (ガガガ文庫)

 

ラノベ貴公みみみはちょっとめんどくさいと思うんですけど

 

人生はクソゲー、ではないのかもしれない。少なくとも良ゲーではありそう。最強プレイヤー日南との出会いは、俺、友崎文也の価値観を根底からひっくり返すことになった。以来、ありがたくもスパルタな指導を受ける日々である。季節は夏。生徒会選挙の時期だ。日南が会長に立候補するのは当然として…え、みみみも出るの!?みみみをサポートすることになった俺は、これまでの経験をもとに日南に挑むが―?ねえ、この人ちょっとボスキャラすぎません?ちょっぴりレベルアップした弱キャラが挑む人生攻略ラブコメ第2弾!

 

みみみを手伝って生徒会選挙で日南さんを倒そう! という話なわけだが、日南さんが強すぎて勝てる気がしない。さすが日南さん!

 

「みみみvs日南」の図が意外というわけでもないけれど、ん? と思わせる導入から、話の展開に連れてみみみの日南に対する想い、ともすれば憎悪とさえ言える勝利への渇望や、そこにある自己嫌悪が開示され、「途中からは読みたくないから一気に読み終わらせたい」辛いけれどページを捲る手が止まらない。それはやはり、「日南には勝てない」というグロテスクな現実を直感しているからだろう。さすが日南さん……。

 

みみみが主体となったものの、友崎くんも着実にレベルアップしているというか飛躍して遥か高みに至ってる感じですね!(皮肉) 

悲しいかな、そこにあったのは同士の成長を喜ぶそれではなくリア充への憎悪であった……。

 

作者の意図をくみ取れば、話としてはよくできていると思います。選挙のアイディアは独特だし、構成もしっかりしている。屋久ユウキさんあとがきはあんなだが文章は安定してるよなぁ……新人作家さんとは思えない。

 

ただ個人的には、みみみのキャラが確立してないのにこんなディープな話をやられましても、と物申したい。一巻でのみみみはちょっと出のキャラ紹介程度でしたから。それとシリーズ二巻で重い話を持ってくると「友崎くん読むとストレスがマッハ」というイメージがついてよろしくない。実際まだ三巻は読めてないんですよねぇ。

 

まあラノベ貴公はまんがタイムきららくらいが丁度いいぬるま湯民なので、豆腐メンタルすぎるというのもありますが。

 

それにしてもみみみってメンドくさい性格だと思うんですけど、それを話に味があると取るかは好みかなぁ(原点回帰)。評判がいいだけに前者の方が少数派なんだとは思いますが。

 

伏線でしょうが、後半にちょっと出た「努力にこそ意味がある」「結果にこそ意味がある」という友崎と日南のスタンスの違いは面白いですね。

アクションゲームはからっきしというか、ゲームに関しては「ゲーマーズ」の主人公的なスタンスのラノベ貴公ですが、どちらかといえば考えは日南寄りの「一位以外は雑魚だからゲームやめてどうぞ」でしょうか。それだけに友崎の思考がブラックボックスというか引っかかる。

 

理性「はよ三巻」

ラノベ貴公「それなぁ……」