ラノベ寄稿

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【感想】Myrla ~VRMMOでやりたいほうだい~(~エピローグ)「なろう作品らしい壮大なSF感」

 

 

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ラノベ貴公タイトル通りとは恐れ入った

 

デスゲームの攻略に失敗した主人公は、時間を巻き戻して攻略を一からやり直すことになった。
一周分の先行知識を持って二周目に突入した彼女は、戦闘そっちのけで生産街道の裏道を最高速度で突っ走る。裏技じみた手段すら厭わず、手加減なしに仕様の穴を悪用しまくる効率厨の明日はどっちだ!?
これは本気になった廃ゲーマーが本来知り得ない情報と極まった技術を武器に、突き詰めた効率主義を持ってデスゲームを食いつぶしていく物語である。

 

 

二か月と少しで 完結。やー、すごいっす。

 

なにがすごいかって、終盤はSFとして完成していた点でしょうか。

 

そりゃハヤカワ大好きSFファンに言わせれば世界観が設定がと叩かれるとは思いますが、ストーリーとして高い完成度を感じました。

 

人と生物との生存競争や神との共存について問題が提起され、主人公の葛藤や結論を下す過程が上手くまとめられている。

 

題材や話の作り方に著者はSFを意識していたのではないかな、と思います。

 

主人公を中心に世界が動かされていく様が読んでいて爽快な作品でした。

 

ラノベ貴公「ただケチをつけるとするなら……」

理性「なぜケチをつけるのか」

 

なろう小説だから(原罪)。

 

本作のターゲットは中学高校男子向けというか、ジュブナイル小説として書かれ始めたにも拘わらず後半がなんとなく「いい話」に収まってしまったところですね。結局話し合いと和解で解決してしまったので、まあ収束はしているんですが、納得いかないところです。

 

もちろんウルマティアを許すまでの葛藤はしっかり描写されていたし理解はできるんすよ。でもなぁ~……

 

結局、キーカードにして問題児は遠野朝日にあるんじゃね?

 

というのが個人的な主張。というか著者の活動報告でもそれっぽいことを述べてますね。元あったプロットというのがまあ「なろうっぽい」です。実際のストーリーはよく出来ているもののニーズに合っていたかというと賛否両論。特に遠野朝日編からSF特有の重苦しさがカオス。まじでこいつがストーリー変えちゃってるんだよな……。一番のやりたいほうだいが著者なんだよな……。

 

まあ神陣営は遠野朝日のおかげで設定が掘り下げられた感もあるし設定厨とか考察班には受け入れられたキャラなのかな? 感想見た感じも評判いいですしね。

 

ケチその2。中途半端に銀太とのイチャコラでストレスがマッハ。

まあこれは完全にラノベ貴公の性質なんですが、ボーイミーツガールだの純愛だのクソくらえと思ってますからねこいつ。なんなら最初から主人公男にしてくれよ……と何度思ったことか。まあこれは好き嫌いで圧倒的私見。

 

まあまあしかしとはいえなんだかんだ、よくぞ完結。キャラクターの面白い作品だったので著者のこれからに期待かな。

 

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