【感想】Garden of Clockwork (~106話)「深淵を覗く。物語は加速度的に、深く」
ラノベ貴公「最近主人公が壊れてきて、とてもいいと思います」
VRMMO。深淵に臨む。
*ネタバレ注意
さてさてお久しぶりです。以前にも記事を上げたSCP×クトゥルフの異端児・GoCの再レビューでございます。
右肩上がりとは言わないが怒涛の勢いで面白くなってきたな? ランキング見てると如実ですね。
少しずつ露わになっていく物語の裏側が密かにしかし確実に動き始めた
伏線回収というか、気づけば引き込まれていたような面白さ。主人公が着実に壊れていきますね……
「接近戦……できる気しねぇなぁ」
格闘技や武道を習ったような体験は皆無だ。
自分が剣を振るう姿もまるで想像ができない。
……まぁ、いいか。
ガチ勢になるつもりも、廃人になるつもりもない。
こんなのはただの暇つぶしで、妹の遊びに渋々付き合うようなものなのだ。
というか、ほとんど押し付けられたようなものである。
嘘つけぇ!
序盤はこんなだったのになぁ……スローライフとか嘘やん……。
気づけば戦闘狂の出来上がりである。
うーむ、実は主人公の正体は名状し難いサムシングでした~と考えるのは安直だろうか?
妹さんがミスリード狙ってる気がするんすよねぇ。主人公の学習能力が高いっていうのも、「Garden of Clockwork - Document-5」と一致しているわけですが、考察するにはちょっと材料が足りない気もする。
しかしシナリオがあることで単純な俺TUEEEE!!ものよりグッと読み応えがあるのは新しい。
描写については「サモナーさんが行く」に近い作風だと思うんですけど、純粋にゲームしちゃったらそれほどハマれなかったかな。キャラクターが魅力的なのでそれはそれで面白そうな気もするんですが(実際序盤はそれだけで読んでた)、やはりシナリオあってこそここまで個性的な作品に仕上がっている。もちろんお互いに良し悪しはあるんですけど、プレイレポートな面では確実に後者に軍配が上がる。文章量の差ですね……(苦笑)
さてさて主人公のSAN値についてですが、唐突なヒールロールにドキリとさせられてしまいました。
読み直してないので朧気ですが、確か「ゲームの作りこみの違いの違和感→他のプレイヤーには見えないイベント(砂漠での幻痛、英語の壁面など)→ブルーベルでの大型イベント」と順を踏むと、明確に幻痛以降で主人公の気質が変わってるような気がするんですよね……。
それが作為的かは分からないんですけど、NPCや他プレイヤーの言葉を借りるなら主人公が異質という見解は間違ってない気がします。
「エースっていうより、ジョーカーって感じだなぁ、そいつは」
これ好き。
この回から主人公の魅力がグッと増した気がする。でもってこの回で主人公がヒール寄りになった気もする。
深淵に臨む。
CoCの名状し難い魅力を巧みに書いている作品。ストーリーのある作品を毎日更新してくれるのは嬉しいですね。