【感想】キラプリおじさんと幼女先輩2「み~んなトモダチ!! み~んなアイドル!!」
ラノベ貴公「どっちかっていうとプリパラよりアイカツ感がある」
新たな幼女先輩現る!? 第23回電撃小説大賞《銀賞》受賞作待望の続編!
「今日こそ勝っ…………てねぇぇぇ!」
「私のコーデを勉強することね、2位」
女児向けアイドルアーケードゲーム「キラプリ」に情熱を注ぐ高校生・黒崎翔吾と小学生の新島千鶴。そんな二人の前に凄腕のキラプリプレイヤーが登場!?
「アタシはめちゃカワ☆JSアイドル美咲丘芹菜!」
翔吾にますますロリコン疑惑が掛けられる中、全国のアミューズメント施設と連動した、「キラプリ」初の大型イベントが開催! 翔吾はこのイベントを利用して、千鶴に友達を作ってあげようと奔走するのだが……。
夢いっぱいの遊園地を舞台に、もどかしくも熱い物語が再び!
*ネタバレ注意
ライトノベル感想は久しぶりですね。
そして「キラおじ」の刊行はさらに久しぶり。五か月ぶり? 一巻面白かったとはいえ、新人賞の一巻切りなんてめずらしくない昨今ではそういうこともあるのかな、と思っていましたが、なんとか二巻が発売してくれたようです。
ラノベ貴公「やべ、一巻の内容全然覚えてねえや……」
理性 「ラノベに内容なんてあって無いようなもん」
辛辣ゥ! 理性さんもご無沙汰です。一応前回のレビューくらいは軽く読んでおきました。
幼女かわいいしか書いてねえじゃねえか……。だいたい合ってるから困る。
さて感想。
ストーリー自体は普通、いや、中の上くらいだと思う。
「この巻はここが面白いんだぜ!」って言えるところが少なかったかな。前回は結構主人公の葛藤とかが面白くて、千鶴やキラプリを通してそれを上手く演出できていたのが良かったんだよね。別にそれを求めてたわけじゃないんだけど、今回はそういうこの作品のオリジナリティみたいなのが薄かった。加えて言うなら本シリーズはキャラや会話劇が魅力的ともいえないので、ストーリーがいまいちだったのは素直に残念。
というか、難しかった、んじゃないでしょうか。
ラノベ貴公はプリパラもアイカツも大好きなので、こういうアイドルアーケードゲームとかなんとなく想像できるんですけど、そういうのを全く知らない人からするとやっぱり伝わりにくかったんじゃないかな。今回読んでて説明描写多いと思ったし。
それでもこの作品は中の上くらいには位置づけしたい。
いや、ラノベ貴公がアイドル好きとかロリコンとかは置いといてですよ。
苦なく読めたっていうのが一番大きい。ラノベ特有の無茶なボケとかが無くて、シナリオにもストレスがない。最初に行ったことと矛盾するようだけど、見せ場がしっかりと設けられていて、そっからしっかりと引き込まれるんですよね。
例えば「リゼロ」みたいにストレスを与えて最後にようやくハッピーエンドみたいな作品がある。下げて上げるというやつだ。
比べて本作は緩やかに坂を上っていって、後半に緩く起伏はありながら最後はまた右肩上がりといった感じ。
私は後者が好みで、本作みたいなのは大好物。たぶん好みの問題だろうけど。
「私は、今日、遊園地で……」
「翔吾と……! 一緒に遊びたかっただけなのに……!」
振り返ってみれば、物語の切り替わりってこの二フレーズしかなかったんだよね。
翔吾と一緒に色々と考えてみて、確かに、と思わされた。
結局のところ友達の定義なんてなくて、なんとなく一緒に居ればそれでいいんじゃないの、ってのを私は思う。けどそれを良しとしたなかったのはラノベ主人公らしいというか、クソ真面目なところが翔吾らしい。
そういう意味で、フレチケって作中では語られてないけど、すごい意味を持つと思うんですよ。だって「友達と交換するチケット」だぜ? 真面目に考えると、それは普段見えない「友達の関係」を可視化するようでちょっと怖い。たぶん千鶴や翔吾にとってもフレチケってそういう意味なんじゃないだろうか。
少なくとも、芹菜にとってはそうだったように。
そんな気軽にパキろうパキろうって感じじゃねーんだよ! プリパラ大好きだけどな!
割とてきとうに読んでた気もしますが、うん、振り返ってみると読み流してた文章が意味を持ってくるから面白い。よく出来た作品です。
その他雑感。
高校生組、おまえらモブじゃねえか……いやいないと話成り立たないんだけどね。扱いがヒロインじゃないよね……。
芹菜、すごい好き。かわいい。
ママと呼ばれるだけある。かわいい。
ではでは、待て三巻。