ラノベ寄稿

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【感想】ようこそ実力至上主義の教室へ 7「実 力 主 義(物理)」

ようこそ実力至上主義の教室へ 7 (MF文庫J)

 

ラノベ貴公そのための拳……?

 

2学期も終了間近の12月半ば、Dクラスを裏で操る存在Xの特定のため、Cクラス龍園の執拗な調査が開始された。高円寺までもが疑いの対象となり、ターゲットが絞られる中、ついに龍園の魔の手は軽井沢恵に迫り…。そのような状況で清隆は唐突に茶柱先生に呼び止められる。珍しく弱気な表情の茶柱が案内した先にいたのは―「既に退学届は用意させてある。校長とも話がついている。後はおまえがイエスと言えばそれで終わりだ」「あんたの命令が絶対だったのはホワイトルームの中での話だろ。あの部屋はもうない。命令を聞く必要もない」退学を迫る清隆の父親、そして学校の理事長から、秘められた高度育成高等学校のシステムが語られ―!?

*ネタバレ注意

 

 

これまでの仮面ライダーディケイド。レビュー見て♡

 

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ペーパーシャッフルテストからスーパー堀北の逆転劇、そして綾小路を取り巻く環境ががらりと変わって今回へ。

 

今回の見所はなんといっても「綾小路パパとの接触」「龍園との直接対決」ですが、それ以外にも細々と面白い考察ができるんじゃないかな、と思っています。あとは個人的な雑感を少々。

 

綾小路vs綾小路パパ

こ↑こ↓面白かったです。綾小路親子のトーク術をご紹介! 皆も就活で役立てよう!

五巻の推測はまあだいたい当たっているっぽい。綾小路は強化人間でしたという説。また綾小路が父親から逃れて高度育成高等学校に入学。逃れると言いましたが、入学の理由は飽くなき好奇心故とも言っています。

 

オレ自身が敗北をすることは即ち、あの男を打ち負かすことだからな

 

──ようこそ実力至上主義の教室へ 5より

 

とはいえ綾小路が父親に良いイメージを持っているとも思いませんが。

アニメで補足されたホワイトルームの描写と照らし合わせると、綾小路パパはほんと想像通りの人だなぁという印象で、ビジュアルも私の想像していたまんま大河内だったのは笑った。よう実ファンはレミニセンスをプレイするべきそうするべき。

 

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坂柳の父親が高度育成高等学校の理事長らしい。

これといって驚くファクターではない(ないよな?)と思いますが、綾小路父との繋がりか坂柳と綾小路の繋がりが見えてきました。Aクラストップである坂柳の実力から、彼女もホワイトルーム出身のひとりかなぁと思っていましたが、どうやら被験者ではなく観測していた側らしい。

 

で、坂柳父と綾小路父の口ぶりから高度育成高等学校がただの学校でないことが(まあ今更ですが)伺えます。実際、親と子が会えない学校とか法律的に怪しいというか……綾小路父が干渉できない、というのは高度育成高等学校が国がらみのプロジェクトなのではないでしょうか。まあ国立機関だと書いてあった気もするので当たり前ですが……。

 

茶柱先生のライフがもう0の件について。

当たり前だよなぁ? 綾小路の解説を聞くと茶柱先生がいかに限界状態だったというのは伺えますね。それを態度に出さないあたり、さすがAクラスを争ったお人だ。そういえばDクラスという点も併せて茶柱先生は堀北と似ているところがありますよね。

 

そういえば綾小路が堀北に手を貸してたのは茶柱先生に脅されてたからだった。

茶柱先生の嘘が明らかになったところであっさり打倒Aクラスから手を引くあたり、綾小路らしいなぁ。

 

で、その最後の精算ということで(その割にはノリノリでしたが)龍園との決着編になります。

 

綾小路vs龍園

もちろん俺らは抵抗するで、拳で?

なんか最終的には物理で殴った方が勝つみたいな感じになりましたが、普通に頭脳戦が面白かったですね。分かり難かったので少し整理してみます。

 

・龍園のカード:

 綾小路=Xの正体、軽井沢の過去

 

・綾小路のカード:

 軽井沢への暴力行為

 

龍園の敗因はこのカードが対等であると見誤ったことだよね。

軽井沢の過去を絶対に明かせない。またXが正体を隠したがっているというのも誤算でした。まあ最大の誤算といったらXが綾小路だったことでしょうが……。

私も理解しきれてないところもあるけれど、おそらく龍園が最終的に負けを認めたのはこれが原因。 綾小路は龍園を一方的に退学処分できるカードを持っている。龍園の持つカードはこれを止める程の効力を持たないので、自分が退学することで綾小路のカードを無効化するしかなかった、という流れだと思う。

 

まあ、カードが対立であると見せかけたのも綾小路の策なんだが。

対話(物理)の流れまで綾小路の策だったのは正直鳥肌だった。綾小路おまえかっこよすぎかよ。

 

軽井沢さんは完全におもちゃですね……。

あえて遅く登場したのはてっきり暴力行為をさせるためだったと思っていたのですが、依存関係を深くするためとは思わなんだ。

読書の事前に感想スレで「軽井沢最高!」「やっぱ軽井沢がナンバーワン!」と言われていて楽しみにしていたのですが、個人的にはフーンと拍子抜け。

衣笠さんはシナリオや設定が面白いし、感動シーンも苦手じゃないと思っていたんですけど、よう実だとこういうヒロインが主人公に抱き着くシーンがあんまり盛り上がらないような……と佐倉のときにも思った。

 

ツンデレヒロインはツンツンしてるときが一番かわいいと思うんですよ(?)

 

その他雑感

頭から読んでいきましょう

 

・椎名ひよりについて

誰なんだおまえは……これがほんとに謎。どう機能していくのか今のところ謎だけれど、新制Cクラスの核として動きつつ綾小路と繋がりがある存在? 憶測にすぎませんね。

 

・堀北ンゴ……

ほんと綾小路の環境が変わったなーと思わされる。堀北、須藤、平田は今回綾小路とほとんど接してませんし。何やらこちらもこちらで動いている模様。

 

・櫛なんとかさん……

発言さえ許されない……。

 

・坂柳&一之瀬

これをサービスショットと言えるほどよう実は温くありませんよね(汗)

AクラスとBクラスにどのような繋がりがあるのか。改めて坂柳や一之瀬は得たいが知れないところがありますね。

 

・佐藤

次回の短編集用のコメディー要因な気がしてきた。

 

・綾小路グループ

六巻では怪しいグループだったものの、綾小路の友達ポジションに収まったという印象。

 

話がガッツリ動いてようやく対Cクラス編が終わり、前々から伏線を張っていた生徒会編に入っていくようです。綾小路は物語から離脱するといいつつ、ちゃっかり軽井沢を駒にしているあたり何かに備えているようにも見えますし、堀北学に貸を作っているのも気がかり。うーむ、楽しみ。

 

では、待て次巻。