【感想】乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…(なろう版)「王道を征く悪役令嬢もの」
ラノベ貴公「久しぶりの令嬢ものです」
頭を石にぶつけた拍子に前世の記憶を取り戻した。私、カタリナ・クラエス公爵令嬢八歳。
高熱にうなされ、王子様の婚約者に決まり、ここが前世でやっていた乙女ゲームの世界であることに気付いた。
そして自分が主人公と攻略対象との恋路の邪魔をする悪役令嬢になってしまっていることに…
主人公がハッピーエンドを迎えれば身一つで国外追放、バッドエンドならば攻略対象に殺されるって…
…私にハッピーなエンドなくない!?バッドオンリーなんですけど!?
なんとか破滅エンドを回避して、穏やかな老後を迎えたい!!
*ネタバレ有
久しぶりに悪役令嬢ものが一話から読みたくなり探していたところ出会った作品。
2016年に完結していて現在は書籍化とコミカライズが進んでいるようです。文量はそれほど多くなく半日もかからずサックリ読了。漫画も無料公開されてるので見たところだいぶ変更があって違った面白味がありました。楽しい読書だったので感想です。
あらすじ
乙女ゲームの悪役令嬢に転生した主人公。死亡フラグを回避するつもりが無自覚に攻略対象を攻略していく勘違い系ラブコメ。
感想
読みたい悪役令嬢ものを読ませて頂きました。
そもそも悪役令嬢ものっていうか恋愛ファンタジー小説をあまり読まないのですが、読んでいて「これが読みたかったんだよ」となる作品で非常に満足でした。
無自覚人誑しの主人公(悪役令嬢)が次々と登場キャラを落としていく。
ラノベ貴公「無自覚の人誑し……」
理性「違う」
リーガルハイ、いいぞ。
話が逸れました。なんというか登場人物全員がチョロインみたいな感じなのですが、読んでいて気持ちがいいですね。
「主人公が登場人物と接触→落とす→登場人物視点の語り」の流れがほんと愛してる。
チョロいといえばそれまでなのですが、本当に魅力的な主人公を書いてますね。勝手に暴走して勝手に転んでる主人公につい笑ってしまう。
そんな主人公に巻き込まれていく周囲の反応が楽しみで仕方ない。特にメインに据えているのは主人公の婚約者であるジオルドと弟のキース。
この二人が主人公に素直に好きと言わないくせに、主人公が他のキャラを誑かす度に肩を落としたり主人公の横でライバルを蹴落とそうとするリアクションが実に愉快で、それを見たさについつい次へ次へと読み進めたくなりました。
個人的にニコル攻略回(仮称)はかなり卓越しているな、と思わされました。ニコルが一言二言喋って主人公に攻略されるので主人公視点からだと意味が分からんのですが、次のニコル視点からだとニコルの妹のソフィアを攻略した回で張られていた伏線が見事に活かされていて「なるほどこれは落とされても仕方ない」と思わされました。
前にも述べましたが、主人公が無自覚で天然で貫いてるのが魅力的ですね。
主人公視点だと実にバカバカしく、楽しく読ませて頂きました。
評価
おススメ度(5段階評価中):★★★★★
★5がでた初めてでた。
個人的にライトノベルとしてドストレートに好きな作品でした。
名作とは言わずともいろんな方に自信を持って勧められるライトなノベルです。
コミカライズがあったのでwebで読んでみたところかなり修正が入ってる様子。つまり書籍版で修正が入ってるということでしょうか。
書籍の方も気になる……最新刊はなろうの続きの話? 読んでしまっても構わんのだろう?
著者の山口悟さんが面白い小説を書きそうな方なのでなろうで新作あげてくれないかな……と期待しています。それでは。
乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…: 1 (一迅社文庫アイリス)
- 作者: 山口悟
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