【感想】齢5000年の草食ドラゴン、いわれなき邪竜認定~やだこの生贄、人の話を聞いてくれない~(1~47話)「隙がない勘違い系コメディ」
ラノベ貴公「書籍よりは漫画から入ってほしい」
5000年生きたドラゴンといえば大層な響きだが、そのドラゴンはいたって人畜無害な草食のそれだった。
しかし無駄にでかい図体と風格のせいで魔王軍の幹部と誤解され、近くの村から生贄の少女が捧げられる。
基本的に臆病かつ気弱なドラゴンは少女を追い返そうとするが、やけに気合いの入った生贄少女はなかなか引いてくれない。
やむをえず「じゃあお主の魂ちょっとだけ食ったから、それでもう帰って」と方便で告げたところ、思い込みの激しい少女はそれでドラゴンの眷属になったと誤解してしまう。
そしてあろうことか、彼女は誤解のままに妙な力を発揮し始め――無力なドラゴンは何の間違いか、魔王軍に反旗を翻すことになる。
反旗も何も、最初から部下でも何でもなかったのだけれど。
*ネタバレ有
書籍化&コミカライズしていて、たまたま一話を読んだところ非常に面白くなろうで一気読みしました。やはり安定して面白かったのでレビューです。
齢5000年の草食ドラゴン、いわれなき邪竜認定 〜やだこの生贄、人の話を聞いてくれない〜 - 連載作品 - ガンガンJOKER -SQUARE ENIX-
内容というか作風というか
邪竜といわれるドラゴン(主人公)は実は貧弱で、その生贄に選ばれた少女は実は最強。しかし本人には自覚がなくて邪竜の眷属として仕えることになるという勘違い系コメディファンタジー。
感想
まず漫画の第一話が非常に面白かったです。かわいい系というかギャグ系というか丸い感じの絵柄なのですが作品とあっていて、一話の内容も簡潔で読みやすく笑わせてもらいました。ギャグものなので続きが気になるとはいいませんが二話を見てもいいかなと思わせる引きです。
で、小説の方を読みましたが全体を通して貧弱ドラゴンと最強少女の関係が崩れないコメディが良かったです。
ここでドラゴンがいきなり最強になりだす展開だと、それはそれで面白いのでしょうがよくあるなろう小説として埋没していたでしょう。
やってることとしては、「最強少女がやらかす→もう嫌なんじゃが」の繰り返しなのですが、場面を切り替えることで毎度新鮮な面白さがありますね。
あとは最強少女が都合の悪いところだけスルーするのにクスリとさせられました。
キャラクターに派手さはないのが長所でもあり短所でもあるのかな、とも思います。ドラゴンと少女でコメディが完結していて、その周りがワイワイしてるくらい。個人的にはこれくらいでちょうどよかったです。この作品で読みたいのはそういうの、という意味では満足でした。
なにが違ったかというとたぶん読みたい作品としてのベクトルなんでしょうねー、つまりは好みの問題。最初はテンポよく読めたんですけど、後半はちょっと読み飽きてました。
理性「おい新鮮さどこいった。」
ラノベ貴公「いや新鮮な肉を食わされ続けてもそれって結局肉なんじゃよ……」
まあこれは変にキャラを増やさない作風上仕方ないような気もする。非常に高い完成度を感じましたが、一方で完成され過ぎて面白味に欠けるという気もしました。難しいよね……。
評価
おススメ度(5段階評価中):★★★★
感想とは関係ありませんが、今回のレビューから形式を少し変えてみました。★評価というのがイマイチ得意ではないというか、それって採点基準どうなってんの? と個人的には少し疑問なのですが、まああったら目を通しやすいというのも事実でありまして、後者の利を取った次第です。
それでは待て次巻。
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