ラノベ寄稿

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【感想】美少女作家と目指すミリオンセラアアアアアアアアッ!! 「これは百万部売れるべき」

美少女作家と目指すミリオンセラアアアアアアアアッ!! (角川スニーカー文庫)

 

ラノベ貴公ひたすら面白いしかねぇ!

 

「ミリオンセラー、それが俺の譲れない目標だ」文芸編集者になるはずが、なぜかラノベ編集部に配属された黒川清純。作家の下ネタ電話にいつも涙目の先輩、会社に寝泊まりしてゲーム三昧の副編集長、あげく編集長は失踪中。さらに担当の打ち切り崖っぷち作家は「書きたいものがわからないの」とスランプ状態で、頼みの天才JK作家は「まだ降りて来ないんです」――って、いつまで待てばいいんだよ!! 誰か俺と一緒に最高の物語を作ってくれ!

*ネタバレ有

 

 

「脳コメ」でおなじみ春日部タケルの新作! ということでスニーカーから猛プッシュされている本作。イラストはMikaPikazoさんとこれまたかなり魅力的な絵を描く人で、文句なしに購入を決意。

 

さて最初に感想から言わせて頂くと、最高に面白いかった!

 

ジャンルとしては「ラノベ作家もの×ラブコメ」ということで、私が読んだ中では「妹さえいればいい。」なんかが同じジャンルかな。

 

序盤はコメディとして隙がなく、相変わらずの春日部タケルだな! とさっくり読み進めた。下ネタの方も相変わらずで何より。(苦笑)

 

ライトノベル業界の市場や作家あるあるなど見事にストーリーとコメディのエッセンスに昇華されていて、うんこれは面白いな、と思う。逆に言えば普通に面白いなとしか言えない。本編でも述べていた通り「この作品独特の面白さ」というものが見えず、正直中盤までは「うーん、面白いけど言うほどあるかぁ?」という印象。

 

主人公が売り上げに拘る理由っていえば、元作家だったからからかなー(編集になった理由なんてそれくらいしか思いつかないし)、と漠然と思っていると、そうでしたね。

これが後半明かされるキーだったら残念だなぁ、っていうかここまできたら後はヒロインが面白いラブコメ書いて終わりでしょう? と半ば読み切ってしまい、物語も単調に進んでいく。

 

これどうすっかなぁ、記事書くことないなぁなどと思いつつ読んでいると、物語が分岐点に差し掛かったのは五章。急な一言であっと今までの単調さが崩壊して、そっから一気に読み進める。

おうぶっちゃけひよこはどうでもいいんだよ、天花はよっ! とさっさとページを捲っていくと、アイェェェェ! ちょそれマジ!? 主人公それマジ!? バックボーンに驚きながら、テンポが悪くなるような鬱な展開を全部ふっとばして、ラブコメが生き物のように唸りをあげて、最高に盛り上がったまま走り切った!

 

これ面白れぇ!

 

読んだ後感想記事を書いてまず一言書いたよね。

振り返ってみるとかなり王道チックなラブコメ……いや少なくともコメディはちょっとかなりだいぶズレてるけど……とにかく後半はラブコメとして完成されていた。

 

ああ、それと、ひよこどうでもいいとか書いたけど、全然よくありませんでした。おまえ最後これひよここれおいぃぃぃぃ! 二巻はよぉぉぉぉ!

 

天花とひよこの絡みや失踪中の編集長や主人公の元担当作家や他スニーカー作家と、ストーリー以外にも気になるところが目白押しで、続き早く読みたいですね。脳コメに被らせるなら主人公の元担当編集も出てきそう。

 

イラスト、MikaPikazoいいっ! 六章の天花最高でした!

 

シリーズが楽しみです。それでは待て2巻。