【感想】勇者召喚が似合わない僕らのクラス_第一部
ラノベ貴公「てんぷれ乙」
続きを読む――「勇者召喚」。
とち狂ったクラスメイトがいたり、ちょっとついていけない気持ち悪さを発揮しそうな主人公体質のクラスメイトがいたりする中で、普段は目立たなかったりいじめられている生徒が、異世界で得た力によって誰よりも強くなったりする、最近のライトノベルでもよく使われる題材だ。
――――僕のクラスは、まずそんなものは似合わない。
特にいじめなんてないし、これと言って先述したような類のタイプもいない。要するに、勇者召喚なんてものがまったくもって似合わない、そんなクラスだからね。
――――なのに、だ。
よりによって僕らは召喚されてしまい、与えられたスキル。
――……えっ、何これ【スルー】ってどういう事なのかな?
周りから上がる声からも、お世辞にも戦いに向いているようなスキルが一切聞こえちゃこないんだけども。
あぁ、まったく。
心の底から――「これは酷いキャスティングミスだ」と思わずにはいられなかったよ。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「チート? レベルを上げてステータスを上げろ? それ、僕に対する嫌味ですか?」
「真正面から戦えって? あはは、無茶言わないでよ。使えるものはとことん使うに決まってるじゃない」
そんな主人公――高槻 悠――の物語が、ここに開幕する――――。