ラノベ寄稿

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【感想】私的なろう小説のおすすめ有名作品を初心者に向けに紹介(2017年3月)

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ブログを書いてるラノベ貴公「諸事情」

 感想を書いてると、「どこまで読者さんはネタを理解してくれてるのだろう」と度々行き詰まる。たとえばこの記事とか。「異世界召喚もの? 俺弱い系? テンプレってなにが?」タームが多くて素っ頓狂な気になるかもしれない。

 

 つまるところ、なろう初心者さんに優しくないんですよね、このブログw

 というわけで今回はいろんな方にお勧めできるなろう小説をご紹介。テンプレから変わりものまで、僕が読んだ作品をざっくりとレビュー。

 

盾の勇者の成り上がり

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 僕がなろうにハマる切っ掛けとなった作品。

 異世界召喚され、不遇扱いを受ける主人公が成り上がっていくというお話。

 

 なんやかんやで主人公の復讐劇って読んでてスカッとするわけですよ。

 アンパンマンバイキンマンをやっつけるが如し。(なんだそのたとえ)

 

 アネコユサギさんは実になろう作家らしい作家さんで、スキルの説明や主人公のスローライフっぷりが細かい。ゲームで言うなら作業ゲーを楽しむ感覚というか。こういった話は一冊に起承転結をまとめる必要のあるライトノベルにはできないわけで、初めてなろう読むよーという方には新鮮でしょう。主人公がちょっとずつ成長していくのが心地いいです。

 

 話単位の文量は普通~少ないくらい。文字数だけ見るとすごい量ですが、本編は一章で完結ですので、なろう小説の長編に慣れるにはちょうどいい量かなぁと。

 現在累計ランキング11位、いわずと知れた名作。読んでない方は是非。

 

無職転生 -異世界行ったら本気出す-

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 言わずと知れたなろう一のレジェンド。

 

 先日完結しましたね。以下あらすじ。

 34歳職歴無し住所不定無職童貞のニートは、ある日家を追い出され、人生を後悔している間にトラックに轢かれて死んでしまう。目覚めた時、彼は赤ん坊になっていた。どうやら異世界に転生したらしい。
 彼は誓う、今度こそ本気だして後悔しない人生を送ると。

 なろう小説的とも言えるし、一般ライトノベル風とも言える作品だと思う。というのも話が深く精緻。長編に一貫してストーリーがあり「よくできている」の一言に尽きます。さすが一位に相応しい作品。(キングは一人、この俺だッ!)

 

 と、レビューしておいてなんですが、実はまだ読み切れてませんスイマセン許してください何でもしますから! 更新時点で最新話だった十六章までは読んだのですが、その後私事で幾分か期間が空いてしまい、気づけば「あれ、こいつ誰だっけこんな設定あったっけ?」状態。皆様はお気をつけて……。

 

(アンチや宗教など業の深い作品でもあるので興味のある方は調べてどうぞ)

 

謙虚、堅実をモットーに生きております!

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 言わずと知れたなろう二のレジェンド。

 謎の多い作品。曰く、

 

ジュブナイル小説がランキング上位を占める中、唯一不動で累計二位を譲らない恋愛コメディー。

・作者が活動報告・前書き・後書きを一切書かず感想欄の返事もしないため、人間性が伺えない。(一部ではグー〇ルのAIが書いているという噂も……。)

・おそらくなろう小説のカテゴリー分けに「恋愛」を作らせた第一人者。

・おそらく書籍化のオファーが来ているはずだが一切その気配がない。

・更新が不定期。

 

 ではなぜレジェンド足りえるのか答えよう。「面白いから」である。

 主人公のキャラが確立され過ぎている。ゆるーく話が進むので安心して一話が読める。(なんというまんがタイムきらら的な安心感……)

 カテゴリとしては恋愛に位置するわけだが、ほぼほぼコメディー。

 少女漫画的と問われれば否定はしない。そういうと野郎さんからすれば手を出しにくいかもしれないが、できれば一度読んで判断して欲しい。男子でも十分楽しめる作品です。レジェンドですからね。(きりっ

 

ありふれた職業で世界最強

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  この小説の掲載日がちょうど僕がなろうにハマりだした頃だったので、世代というか思い出補正がかかってます。

 ありふれが流行りだしてきてから一時期クラス召喚ものがすごい人気になりましたね。

 

 本作の主人公・南雲ハジメ。曰く、ありふれた職業なのに世界最強。 

 

 界隈では「ハジメ△」「(俺TUEEEしてる主人公を指して)ハジメさんほどじゃないから……」と言われるくらい世界最強になってしまったハジメ△……。

 

 タイトルから察せられる通り「不遇職で成り上がりもの」な本作なのですが割と序盤でハジメさんが不感症もどきになってしまいますので復讐って感じじゃないですね。

 

 著者の文章はテンポがよく、パロディでがんがん責めてきます。分かってる方はくすりとできるし、知らなくても雰囲気で笑えるはず。

 

 新株ながら現在累計ランキング四位。

 すごい人気です。

 

 いつだったか著者が活動報告で述べていた、『俺TUEEEがマンネリ化しないよう努力している』その努力が話に現れている点もグッド。どの話にも違った趣がある。

 リアルタイムで読んでいただけに思い入れが強い作品です。

 

転生したらスライムだった件

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  言わずと知れた以下略。

 主人公がモンスターもの作品の第一人者? (読んでいないためここでタイトルを出しますが「オーバーロード(著:丸山くろがね)」の方がファン層は厚いかもしれません)

 

 モンスターの主人公が成長していくというのがワクワクしますね。その過程でスキルを駆使していくのですが、設定の掘り下げがすごい。正直後半何言ってんのかほとんど分からないのですが、著者がそれを完全把握しているものだから、脱帽。感想欄を読むと一部のファンもそれを理解しているから恐ろしい。っていうか考察組が日本語喋ってなくて怖かった。

  しかしインフレに次ぐインフレと後半の神々同士の対決はなんやかんやで中二心をそそりました。

 下記ネタバレ台詞。

 「よし、じゃあさっさと行って、サクッとあの馬鹿を倒すとしようか。知ってるだろ? 俺が負けず嫌いだってな!」 -248話より

  この文は今でも覚えていて、一言で主人公の人格や248話分の思い出が蘇る。熱い。

 コミカライズも順調なそうで密かにアニメ化を楽しみにしています。

 

Only Sence Online

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 なろうVR作品の代表作。

 スローライフというか、代表作にも拘らずバトルより生産面を重視した作風。バトルがないわけではないが、そこは主人公の気分のままに。

 VRMMO作品の自由度の高さが伺えますね。へー、こういう面白さもあるのかと。普通にモンスターと戦って普通に農業して料理してアクセサリ作ってイベントして……。

 ジャンプ漫画じゃあるまいし、敵と戦って勝つだけがVRMMOじゃないのだよ。

 戦闘、戦闘、また戦闘だと飽きますからねw

 長編のなろう作品だと特に。飽きがこない安定した面白さというのが魅力かもしれません。

 

死神を食べた少女

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 七沢またり先生のなろう処女作。書籍化しているものの、上記した有名作と比べれば知名度は一歩劣るかな。どちらかと言えば同じく七沢さん著の「火輪を抱いた少女」の方が名前は聞きますね。そちらはまだ読めてないのですが、さておき。

 

 発想が奇抜。狂人な主人公を巧みな文で操る。

 強い女主人公というのは聞かないでもないが、狂った女主人公を書かせて著者の右に出るものはいないでしょう。(だろうな)

 物語も無駄に伸びることはなく、きっちり終わらせてくる安心感。

 長期作品になると「エタる(未完完結の意)」心配があるのですが、七沢さんは堅実に終わらせてくれる作家さんですね。素晴らしい。

 

VRMMOを金の力で無双する

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 名が体を表すとはまさにこれ。以下あらすじ。

ツワブキコンツェルンの御曹司、石蕗一朗は、すごいお金持ちである。

 内容はあらすじの通り。

 つまり、ツブワキコンツェルンの御曹司が金の力でVRMMOを無双する話なのである。

 あらすじだけで面白くない? 今読んでもこの一文に尽きるから作者は天才的だな……。

 鰤牙さんの処女作ですね。無駄に細かい描写の文章が独特で安定している。三人称視点ですが心理描写が細かく、群像劇というより喜劇というのがしっくりくる。

 章ごとに短編となっていて読みやすいのもグッド。

 なろうって感じとは少し違った変わり種。でも面白い。友人に勧めるのにまず挙げる作品がこれです。ほんと好きすぎる。

 

 僕、こういう変わり種な作品が大好物なんですよねw

 

 御曹司と桜子さん良い。というかどのキャラも文句なく好きだし、凝った文章表現も好きだし、シナリオも面白いし、総じてドストライクな作品でした。たぶんなろうで一番好きな作品なんじゃないかな。いつか別でレビューしたいな。

 

スタイリッシュざまぁ

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 タイトルで買ったw (ないです)

「ざまぁ」とは、自信に満ち溢れている人間を、一瞬にしてどん底に堕とす最後の締めのことである。それを最後まで、どれだけ無駄なく整え、無駄なく操作し、無駄なく堕とし切るかを突き詰めた美学こそが「スタイリッシュざまぁ」なのである。そんな全力でネガティブだけど、何故かポジティブに感じてしまう中編。(本編は全12話で完結。番外編をのんびり更新しています)

 読んでみて、なるほど面白い。不遇な状況を活かして「ざまぁ」してやろうとは……とことんなろうらしく捻くれている作品だ。

 

 本編が十二話ときっちり終わっているのが程よい。空いてる一日に一気に読めて満足できるのが素晴らしい。

 このころ狂ったように女性主人公の作品を探していて見つけた作品です。捻くれた女の子を楽しみたい方に是非。

 

田中のアトリエ ~年齢イコール彼女いない歴錬金術師~

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 こちらの記事でもレビューしております。

 

 如何に童貞は童貞を捨てるべきかが書かれた話です(大真面目)

 

 知ってるか。これ、大賞作品なんだぜ……(ドン引き)。 

 発想が奇抜すぎる。くそレズ女騎士だったりビッチロイヤルお×××だったりEX処女だったりキチガイしかいねえのかよこの話はァ!

 下世話な会話が絶えない(褒め言葉)。

 そんな下半身事情に従う展開なはずが、主人公の社畜論に謎の説得力があるのがまた面白いですねw

 

 しかし、非常に残念なのですが、ここ最近で読んだ話じゃ一番主人公がカッコいいのです。もうやだこの話……。

 (以下ネタバレ台詞)

 最強魔法だぜ。

「ファイアボール」 

─「魔王 五」より

 はたしてこれほどカッコいい台詞をこれから先聞くことはあるだろうか。

 基本下品な話なので大きな声でおススメできないのですが、嫌いじゃない人は絶対好きなはず。

 

 お疲れさまでした。ひとまず十作品上げてみました。

 「この作者は文章が~」などと偉そうに語っておきながらも、僕自身好みが狭く、実は読んでない有名作品なんかごろごろあります。ストーリーが重かったりするだけでイマイチ読む気になれませんし。

 

 なろうは検索機能が結構充実で、タグとランキングを使うだけでも自分好みの作品を幾つもみつけられます。

 自分の好みが分からないよ~という方はおススメした小説を読んでみて好みを見つけてくれれば嬉しいです。