ラノベ寄稿

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【感想】ようこそ実力至上主義の教室へ 6「それは青春か、あるいは、」

ようこそ実力至上主義の教室へ 6 (MF文庫J)

 

ラノベ貴公「よう実記事は書いてて楽しいですね~」

 

体育祭も終わり肌寒くなりつつある10月中旬。生徒会の新旧交代が行われ、生徒会長の座は堀北学から2年の南雲雅に引き継がれた。新時代の到来を感じさせる中、綾小路はクラスメイトの佐藤麻耶に人気のない渡り廊下に連れて来られる。「綾小路くんって誰か付き合ってる人とかいるわけ?その、電話番号交換してよ」向けられたのは半ば告白手前の言葉。体育祭での活躍の結果、綾小路に対する注目度は大きく上昇、周囲に大きな変化が訪れていた。そして到来する特別試験・期末テスト。例年退学者を出すペア制とペーパーシャッフルという複雑な試験にDクラスはどう活路を見出すのか。大人気クリエイターコンビが贈る、新たな学園黙示録第6弾!!

 

*ネタバレ有

 

前回の記事では「面白いところ以外はほんと面白くないな」と述べましたが、今回もそんな感じ。書くことはたくさんありそうなのに印象に残ってるシーンが後半しかない事案。

やっぱり感想は読んだ後に書かないとダメですねぇ。五巻の感想書いた後で「櫛田と堀北の過去に何があったのか私気になります!」とでも書くべきだったんでしょうが、六巻読み終わってたせいで全然気づかなんだ。

まあ反省はさておき、以下内容と感想。

 

今回の頭脳戦は特別試験・期末テスト。通称「ペーパーシャッフルテスト」というもので、普通の期末テストとの違いは主に二つ。

 

・テストにはペアを組んで挑む。ペアの成績は共有するものとし、ペアのうちのどちらか、あるいはペアの合計が基準のラインに達しない場合は赤点とし退学処分とする。

 

・テストの出題問題は各クラスが用意し、指定したクラスに出題するものとする。例えばDクラスがCクラスを指定した場合、CクラスはDクラスが用意した問題を解くこととなる。

 

といった感じ。ペア制度についてはさほど重要性はなかったかな。メタ的に考えるなら綾小路グループ発足のためのペア作りでしょうか。

 

さて重要になってくるのはもう片方、相手クラスにテスト問題を出題できるルール、こちらが肝になってくる。例に出した通り今回はDクラスがCクラスに、CクラスがDクラスに問題出題をすることになったわけですが、まず考えるのは櫛田の存在。提出問題を知られれば前回の二の舞ですからね。メタるのは当然として私も読んでたわけですが……

 

結論を言うと、最後の頭脳戦はまるで読み切れんかった!

 

櫛田も驚く一手だったが、それを読んでいた堀北よ。堀北ァ! おまえポンコツじゃねえじゃねえか! そして挿絵で渾身のドヤ顔であった(してないです)

今回の頭脳戦は真っ向勝負という感じで、正しく堀北の本領が発揮されたと言っていい。本格的に覚醒したスーパーサイヤ堀北さんはAクラスを目指すに相応しい風貌でした。

 

堀北と櫛田の因縁、因縁っていうより一方的な感情で、こりゃどう見ても櫛なんとかさんが悪いですよ。こりゃ櫛なんとかさんって言われるわけだ。まあ、そんな関係もひとまずは一件落着と見ていいのでしょうか。たぶん仲直りイベントもあるんだろうなぁ……。とはいえ櫛なんとかさんがヒロイン候補に復活する明日は遠い。

 

龍園は今回意味深な雰囲気出しながら実は何もしてなかったでござるの巻。次回辺り派手に動きそうですが、これで龍園さんも脱落ですかねー。龍園さんの「クハハ、面白れぇ」が聞けないとなるとそれはそれで寂しいものです(無感動)

まあこういうキャラはなんやかんやで噛ませキャラとして生き残りそうな気がします。ベジータ枠的な?

 

さて、ここからはスーパー綾小路タイム。

 

あの高レベルな頭脳戦さえ綾小路は見抜いていた……?

 

確信は持てませんが。堀北がテスト問題を提出したのが期末テストの三日前なので、堀北に種明かしをされてから龍園と取引した可能性も否めませんが、櫛田の制服に仕込みを済ませたことも考えると、事前に予測した上で取引をしていたと考えるのが自然か……?

いや、そうか。カラオケでブレザーを汚させたときには既に取引について考えているはずだから、堀北の策を見抜いていたと見ていいかもしれませんね。正直完全に気づいていなかった(大嘘)

 

4.5巻での「退学者を出す」発言に合わせて考えると櫛田は退学あと一歩だったというところでしょうか? 堀北の一声がなければ退場だったかもしれない。

 

それでは以下小話。

 

綾小路グループ。すっげぇ怪しいグループだよなぁ……特に長谷部という存在がブラックボックスだ。幸村や三宅がいいキャラなだけに危うさがパないのう。

それにしても、「気に入ったから」「グループを組もう」という言い方はなんというか気疲れしそうですねぇ……。大事にすればするほど気を遣うというか、そういう意味じゃ須藤や池、山内たちのラフな関係が理想とも言えますが……

そういえば池と山内はすっげぇドライでしたね。4.5巻の感想でも述べた通りやっぱどうでもいいキャラだったのでしょうか? まあ割とどうでもいい話。

 

軽井沢。おまえ可愛すぎかよ……ヒロイン力高すぎる。映画館の件とかニヤニヤしてしまったよ。なおCクラスの三国武将にぶっ壊されそうな模様。

 

佐藤。これなにかの伏線というか裏ありそうだなーと思いながら読んでたらあまり出てこず終わった。伏線か? ミスリードか? 佐倉や軽井沢に発破をかけるためのモブか? ある意味一番読めないキャラ。

 

こんな感じで綾小路の人間関係が目まぐるしいですね。堀北と距離ができたのも気になりますし、この変化がどう波紋を広げていくか、楽しみです。

 

最後に少しだけ不満を。

挿絵これどうした……?

長谷部と軽井沢の挿絵、何か違和感がすごいような……。脚がぐにゃっとしてるのがすごい気になったんですが、これはちょっと残念過ぎた。新キャラ大量でトモセシュンサク忙しかったのか?

 

7巻では龍園と綾小路の決戦が読めそうで今から楽しみですね。では待て7巻。