ラノベ寄稿

ラノベやweb小説を斜め45°から批評するブログ

【感想】友人キャラは大変ですか? 1「この展開ね。なるほどなるほ、ど……?」

友人キャラは大変ですか? (ガガガ文庫)

 

ラノベ貴公これはテンプレを目指す物語(テンプレとは言ってない)

 

 出会っちまったぜ、俺の理想の主人公に!
俺の友達、火乃森龍牙。高校に入ってできた、気の置けない親友。
龍牙の第一印象は、「アニメとかに出てくる主人公っぽい奴」だった。そしてその思いは、すぐに確信に変わった。
まず、こいつは過去をほとんど話さない。で、よく授業を抜け出す。帰ってきたかと思えば、唇から血を流してたり、制服のあちこちが破けてたりする。
そして龍牙の周りには常に美少女がいる。学園のアイドル、雪宮汐莉。剣の達人であるクールビューティー、蒼ヶ崎怜。謎の転校生、エルミーラ・マッカートニー。こいつらが龍牙の前に現れると、俺は非常に疲れる。それぞれが龍牙と絡むたび、「お、おいリューガ! どうしてお前が雪宮さんと知り合いなんだよ!」とか、「う、麗しの剣士である蒼ヶ崎さんが、わざわざ教室までリューガに会いに!?」とか、「エ、エ、エルミーラさん! リューガなんかのドコがいいんスかぁ!」とか、必死に騒ぎ立てる羽目になるからだ。
……じゃあ何でやるのかって? それは俺、小林一郎が友人のプロだからだ。
主人公の中の主人公、火乃森龍牙を支える親友キャラこそが、俺の生き様だからだ。
――ベストフレンダー小林が贈る名助演ラブコメ、開幕!

 

 お久しぶりです! 少し現より離れておりました(死)。私事ですが春明けでバタついておりました。またぽちぽち感想を書いてきます。

 

ラノベ貴公「あらすじが粗筋で草」

理性「30点」

 

あらすじ要約:テンプレ異能ラブコメで俺が主人公の友達ポジション?

 

うーん? 影キャラが主人公をサポートする感じかな? 新しいと言えば新しい。皮肉を言えばガガガらしい。最近多いよねー陰キャラというか狂言回しものというか。評判が良かったと聞くのは弱キャラ友崎くんくらいな気もするんですが。(はまちは殿堂入り)

 

ひとまず読んでみると、カラーページでOh……割と分かりやすい伏線な気がするんだが? 正直このときは「このレビューは『テンプレ乙ww 展開読めすぎなんだが?』ですかねー」などと考えていました。

 

読み始めるとスッと読み込める。

あらすじからして設定の解説に手間取りそうだし知ってることに時間かけられてもダレる、と思いましたがサクッと片付けましたね。テンプレヒロインかわいい! という真理。素直に癖のあるヒロイン、一周回っていいんじゃないでしょうか!

 

主人公こと狂言回し・小林の解説が的を射ていますねw 毎度テンプレとはかくたるやと述べているラノベ貴公とシンクロするかのようなツッコミ。この辺りで、「あれ、これはテンプレラノベではござらん……?」と勘づく。

 

と思っていると、カラーページの伏線を中盤で回収してきた

 

ラノベ貴公「?」

ラノベ貴公「???」

ラノベ貴公「え゛っ、あと半分どうすんの?」

 

すまんちょっと読めない。小林がこれまた絶妙に同意見なものだから笑えてくる。

 

小林がテンプレを語るとものの見事にそれが回避されていくわけですね! なるほどこれは面白い。なんというカオス。これがガガガの用意したアンチテンプレ最終兵器か……。

 

予想通りの序盤から180°切り返した中盤終盤と見事に転がされました。

 

ドストライクにラノベ貴公好みな作品

 

物語のシンプルさはこれぞライトノベルって感じでした。それでいて一癖ある。昨今では質ライトノベルみたいなのが流行ってますのでこういう作品は貴重ですよねぇ。自信をもってのおススメです。

 

友人キャラは大変ですか? (ガガガ文庫)

友人キャラは大変ですか? (ガガガ文庫)