【感想】乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です(1~13話)「恋愛ものかと思ったら主人公最強もので、主人公最強ものかと思ったらコメディでした」
ラノベ貴公「ドラグーンの人」
大地が浮かび、飛行船が空を行き交う異世界。
ホルファート王国の辺境に領地を持つ男爵家。その家の三男として生まれた【リオン】は現代日本から異世界に転生した元社会人だった。
ただし、この異世界――剣と魔法のファンタジー世界は、女性が優遇される“乙女ゲー”の世界だった。
女性に優しく、男性に厳しい乙女ゲーの世界。
リオンは乙女ゲーの舞台である学園で、モブに徹しようとするのだが……。
*ネタバレ注意
お久しぶりです。なろう作品レビューはさらに久しぶり。
読んでるんですヨ? 読んでるんですけど量産型ってレビュー難しいわけです。テンプレ乙……。
最近デイリー異世界でランキング入りしたのは楽しめてるので、話数がまとまったら記事にできるかもしれない。その第一陣が今回のこれであります。
さて感想です。
一章読んで分かった。これコメディーだわw
話の内容としては、悪役令嬢ものと主人公最強ものをミックスした感じ。ゲーム知識を使って主人公があれこれしつつ、脱線しながら人間の屑になっていく話(?)
乙女ゲーっていうのはめずらしい気がする
作品の流れとしては「豚公爵」みたいな感じの、不遇キャラがざまぁする作品に仕上がってくるのかな、と思っていたらいい意味で期待を裏切られた。
これ不遇キャラがざまぁする話だわwww
突き抜けちゃってるんだよなぁ……。
偶然力を手に入れた主人公が偉そうにお説教する系の話に対するアンチテーゼだよな? すごいなこれは、草しか生えないもん。読んでる最中に「これレビュー書く」って決意したまである。
『偉そうなことを言っているお前も同じだ! お前の言葉は薄っぺらいんだ! 今のお前は、大きな力を手に入れて傲慢になっただけの男だ! 楽しいか? それだけの力で他を圧倒し、上から目線で説教する気分はどんな気持ちだ!』
「――最高だね!!」
『なっ!?』
殿下の鎧を蹴り飛ばすと、盾で防がれた。後ろに吹き飛ぶ瞬間に、両肩のキャノンで砲撃されたがガードはしなかった。
アロガンツは揺るがない。傷一つ付かなかった。
「もう最高の気分だよ! あれだけ威張り散らしていた威勢の良いお前らを、圧倒的な力でねじ伏せて説教すると気分が晴れる。言い返せないお前のお仲間もどうかと思うけどさ。まぁ、負けた癖に言い返すしか出来ない姿も惨めさを誘うだけだよな! そして教えてやるよ。俺は確かに傲慢かも知れないが、お前らはそんな俺にも勝てない訳だ。その辺の気持ちはどうだ? 格下に見ていた奴に負ける気分はどうですか、王子様!」
『貴様はぁぁぁ!』
圧倒的な力で相手をねじ伏せ説教する。
病みつきになりそうだ。
「最高だね!!」のテンポの良さが絶対に好きすぎるw
女性上位の社会で女に頭を下げるのが疲れた主人公という設定がもう面白いから。
そこから広がっていく野郎たちの辛みとか権力を振りかざす女性だとかが見事におかしみを誘っていて、作品全体に面白いが詰まっている。
キャラクターたちも段々と個性が滲んできていて、次女や父親は特に美味しいキャラになったよなぁ。
決闘終了後は悪役令嬢ものでよく見る、「あいつって実は貴族としては立派だったんじゃ……」みたいなご都合展開感が大好きでして、いいところどりした作品だなぁと。変に主人公が恰好つける作品じゃなくコメディーに振り切ってるところもポイント高い! 楽しい読書でした。
著者の三嶋与夢氏も多く作品を書いているとのことで、安心できそうですね! ねっ!
これは絶対に盛り上がる作品。是非。