【感想】やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。12「やっぱ小町がナンバーワン!」
ラノベ貴公「なんか読むのすっげぇ疲れた」
たとえ、その選択を悔いるとしても
バレンタインデーのイベント、水族館での雪の日を経て、自分たちが踏み出すべき一歩を定める八幡たち。
そんな奉仕部に、ある大きな依頼が持ち込まれる。
その依頼に対して、今までとは違ったやり方で取り組むのは、三人にとっては自然な流れのはずだった。
それが、自分たちの求めていることなら――。
たとえ、その選択を悔いるとしても。
時間の流れがいつか自分たちを大人にするのかもしれない、出会いと別れを繰り返して人は成長するのかもしれない。でも、いつだって目の前には「今」しかなくて――。
雪乃、結衣、八幡。それぞれの想いを胸に抱えながら、各々が選択する「答え」とは。
新たなる青春群像小説、物語は最終章へ。シリーズ12巻。
*ネタバレ有
読書前のラノベ貴公「また勝ってしまうのか……(確信)」
皆大好き「はまち」の最新刊。
冒頭が前巻の続きから始まるわけですが、やべぇ、内容全然覚えてねえ。渡ぃ、おまえ二年も休刊してんじゃねえかァ! いや「クオリディアコード」も「ガーリッシュナンバー」も面白かったんですけどね……。なんなら路地裏トラッシュとはなんだったのか状態なので、無事に刊行されて一安心という感じです。
さて、まず軽く100頁くらい読んでみて、全く面白くないんだが?
いや、ね。まさかね。天下のはまちが面白くないとかありえんでしょ。ましてわたりん信者のラノベ貴公がそんなこと思うなんて……きっと疲れてるんですね、わかる……ワカラナイ……。
などと面白いと信じこませて読んでたんですが、半分くらいまで読んでもー限界。三時間ほどかけてこれ。友人や他の方の読書レビューを参考にもしたところ、結構同じ意見があるようで、なんっていうか、渡航特有の小難しい文が躍ってましたよね。ガハハ! 笑えねえ……。
まあでも、三章はすごくよかった。
小町の受験話。八幡が受験してるわけでもないのに受験の空気みたいのがしっかりと伝わってきた。私は高校受験とか結構てきとうで、なんとなく行きたい高校受けて合格って感じでした。たぶん一年前の小町もそんな心境だったんだろうな、と思う。この一年で小町は総武高校を志望した。その過程がしっかり書かれていたから、つい八幡と同じ気持ちで力んでしまった。さすが世界の妹……。
雰囲気的に受験もダメだったかな……? とちょっぴり思いもしましたが、見事合格して二度泣いた。ほんと今回は小町の巻でした。今まで小町は「頼りになる妹」というイメージが強かったので、久しく妹らしい姿が見れたと思います。
話の流れはそこからいつものいろはす登場から何やら騒動が……という流れで、今回は卒業パーティーにプロムを企画するといったもの。相変わらず、渡航の話の流れが絶妙で、最近ではだいぶ私たちリアルの身近になったSNS問題から雪ノ下VS雪ノ下母の構図を作るのが美しかった。素直に物書きとして尊敬する。実際にありそうと思わせる、ラノベらしからぬリアリティがある。
雪ノ下母は見事に雪ノ下姉妹を混ぜたようなキャラで、これも上手いなぁと思わされる。ここから八幡が彼らしからぬ自発的言動をして、これを私は彼の成長と受け取ったのだが、残念ながら、「そんな簡単に人は変わらない」。奇しくも彼が明言したことである。
雪ノ下陽乃はそれを知っていたわけだ。彼彼女等の関係は決して恋や友情の「三角関係」ではないこと。「共依存」であること。うーむ、なるほど。そう言われてしまえばそうとしか見えないから不思議だ。
一方で、それが共依存でないことも確かだ。八幡の言った「いつか、助けると約束したから」。この言葉を決して承認欲求を満たすための免罪符と認めたくはないですけどね……。
とはいえ、誰も八幡の助けなど求めていないのも事実。であれば、ヒーローはどうするのが正しいんでしょうね?
といったところで読了。最初こそ読むのがグダったものの、後半の流れは見事で、見方を二転三転させながら引き込まれていきました。さすはまち。
次回は最終巻で二巻同時発売……との噂。溜められるよりはいいんですけど、はまちは読むのが疲れるからなぁ。しんどいなぁ。(歓喜)
では待て次巻。
やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。12 (ガガガ文庫 わ 3-22)
- 作者: 渡航,ぽんかん8
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2017/09/21
- メディア: 文庫
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